なすみの日常ブログ

アラフォー独女のぼっち生活

他人事って思えない

精神科病院の看護師逮捕

精神科病院の看護師が入院患者に暴力をふるい逮捕されました。

はじめにこのニュースを目にしたときは、「またか」ってくらいにしか思わなかった。

前にも聞いたことあるようニュースだし。

でも、Eテレの番組で病院の中で行われていた虐待行為を目にしたら、「またか」ですましていいことではないって考えを改めました。

www.nhk.jp

他人事じゃない

番組の冒頭に出てくる知的障害をもった男性の訴えにすごく胸が苦しくなった。

彼はその後、病院を出ることなく急逝してしまいます。

彼が病棟で看護師に囲まれて責められる場面も流れていましたが、彼が亡くなったのは看護師の虐待による過大なストレスのせいに思えてなりませんでした。

 

それをみて、もし自分があのような病院に患者として入院することになったら...って考えました。

ありえないことでもないって思います。

もし私が病気になったら、自分で自分の生活を支えられなくなったらどうなるだろうか。

私は結婚してないし、子供もいない。

兄弟はいるけど、あいつが私の生活の世話をするとは思えない。

まずは病院に入院し病気の治療をするだろうけれど、その後の生活は?

そうなるとどこかしらの施設に入ることになるだろうと思う。

もし、認知症になったら、

もし、なにかしらの精神疾患に罹患したら、

お世話になるのは精神科病院かもしれない。

その病院が滝山病院みたいな暴力看護師がいる病院だったら?

精神疾患に罹患した患者がここはイヤだから退院したい、転院したいって言っても誰も取り合ってはくれないでしょう。

実際に暴力行為があっても、加害者は証拠がなければ認めないだろうし、患者の被害妄想だって一蹴されるだろう。

虐待を受けながら死ぬまでそこの病院にいるしかないなんて、この世の地獄。

そう思ったら「またか」なんて他人事のようには思えなくなりました。

 

あの病院の看護師たち

現時点で逮捕されたのは一人。

他にも逮捕されるかもしれない看護師もいるようだけど、その人達は今も勤務しているのかな?

逮捕の対象になるほどの虐待はしていなくても、乱暴な物言いや患者さんを叩いたりした人たちはいるだろうって私は思っています。

それらの人たちは何を思いながら働いているんだろうか。

反省はしていないって私は思う。

むしろ、なんで責められるのって被害者ぶってるって思う。

精神障害があり、身体的な疾患の治療も必要で、介護度も高い患者さんを看護するのが大変なのは間違いない。

こんなに大変であれば、暴力もふるいたくなるし、暴言もはきたくなるんだよって思ってそう。

それにこの病院は他に引き取りてのない患者も受け入れている。

ここに入院できただけでよかったじゃないかって、自分たちがいるおかげで行き場が見つかってよかったじゃないかって思ってそう。

でも、思うだけならいいけど、実際にやってしまったらダメなんですよ。

行政は知らん顔

この番組を見て感じたのは、小中高のいじめを取り巻く環境と似ているということ。

いじめの問題で教育委員会にメディアが取材に行って質問すると「個別の事案なので答えられない。ご理解ください」とかお決まりのセリフがあるじゃないですか。

誰かが対応しているのは間違いないのに、その誰かが表に出て自分のやったことは説明することはない。

で、取材に答える人は「自分とは関係ないのに」っていう態度で答えるっていう。

番組内でもこのようなどこかで見たことのある問答があって、なんかもう笑っちゃった。

加藤厚生労働大臣の物言いなんてまさにそれだった。

聞いていてとても不愉快に感じました。

取材している人だって加藤大臣が滝山病院のことに直接かかわっているとは思ってないでしょう。

大臣なんてコロコロ変わるんだから。

取材陣の言葉に自分が責められていると感じ不愉快になる気持ちもわからなくなはいけど、苦しんでいる患者が間違いなくそこにいるということを念頭において物を言って欲しいって思いました。

番組の作りについて思うこと

その番組タイトルはどうなの?

番組を見ていて、視聴者に滝山病院がどれだけひどい病院かということを訴えたいがあまり、ちょっと違うんじゃないかなって思うところが多々ありました。

まず、番組のタイトル。

「ルポ 死亡退院」

確かに他の精神科病院と比較するとこの病院の死亡退院率の高さは異常です。

私もはじめは、こんな殺人病院が存在するなんてって驚愕しました。

でも、この病院に入院してくる患者さんの特性を考えると死亡退院率が高くなるのも当然じゃないかなって思います。

まずこの病院は透析ができる数少ない精神科病院だということ。

私のイメージだと透析の患者さんってけっこう急変が多いし、予後もよくない。

それに番組内の情報からどんな患者さんが入院しているか想像すると、治療をしに入院してくるというより、現状維持のために治療が必要だけど一人では暮らせず家族もおらず医療依存度が高いから施設にもいけないうえに精神障害もある患者さんたち。

ここって「病院」というより「医療行為もできる施設」という感じ。

よって死亡退院率も高くなるのかなって。

 

確かに発言はひどいけど

病院内での看護師や医者の会話を隠し撮りしたと思われる音声もありました。

もう考えられないほどひどい発言のオンパレード。

これを聞いたら、滝山病院で暴力行為が横行していたのも当然だなって思っちゃう。

でも、ナースステーションや休憩室の会話って患者やその家族に聞かれると想定して話していません。

私が働いていたときだって、休憩室では患者さんや家族のことを話題にして話してましたよ。

まあ、さすがにあそこまではひどくなかったけど。

記録の改ざんをしている発言もあって、それは完全にアウト。

でも、ひどい発言のなかにも多少は同意できる点もありました。

「ここに来る患者は他に行き場所がない」と言う発言があったと思うんですが、その通りだろうなって思います。

言いたいことはわけるけど

あと、関西の神出病院のことについて、記者が行政の担当者にマイクを向ける場面。

「(あんなにひどい事件が起きた)スタッフと一緒に病院を立て直すのですか?(信じられない、何を考えているんだ)」

カッコの中は私が超能力で受信した記者の気持ち。

行政の人は「はい」と答え、記者はそれ以上の質問はしませんでした。

まあ、記者が言いたいこともわかるけど、実際はそうするしかないでしょ。

神出病院の全てのスタッフを全て入れ替えろとでもいうわけ?

無理ですよ。

以前、精神科病院を取り上げた別の番組での精神科医の発言を思い出しました。

問題が起きた病院であっても簡単につぶすわけにはいかない。

精神科病院に入院している患者さんたちは行き場のない人がほとんど。

家族がいない、いても家族の元には帰れない、精神障害があって施設にも入れない、地域にも受け入れられない。

別の病院に転院してもまた同じことが起きる可能性もある。

だから、患者の居場所を守るために今いるスタッフに介入し指導をしながらともに病院が存続できるようにしないといけないんだ。

私もそう思います。

滝山病院も今回のことをきっかけに患者さんにとって良いように変わってほしい。

心から願っています。

 

 

nordot.app

この記事で詳細を知りましたが、言葉がありません。

上司が罪に問われなかったことも理解の範疇をこえている。

 

www.nhk.jp

多分この番組だったと思います。

直視するのがつらい番組だったと記憶しています。

息が止まりそうなほど衝撃的だったこと

この番組で一番衝撃的だったのは、埼玉県にあった朝倉病院の元院長が、滝山病院の現院長であること。

!!!???

あんなことしておいてまた精神科の医者として働いているの?

そんなことできるの?

番組の一番最後に車に乗っている院長が映るんだけど、すごく高そうな車に乗っているんです。

そんなに院長は儲かるのでしょうか。

番組の中で家族が延命治療はもうしないで欲しいと訴えたのに、やっていたという事例が紹介されていました。

患者の家族が院長に伝えた日付や、IVHを挿入した日、いつからいつまで高カロリー輸液が行われていたのか具体的は日付は示されていなかったので、実際どうだったのかはわからない。

朝倉病院で患者におこなわれていた診療報酬目当ての過剰な医療行為と似ている。

看護師の暴力事件も怖いけど、こっちもほんとにゾッとする。

このへんも捜査ってされるのだろうか。

すごく気になります。

最後に

番組の初めに紹介されていた知的障害のある患者さんの悲痛な訴えが忘れられません。

とにかく、入院している患者さんが虐待を受けることのない環境におかれることを願っています。

それだけ。