そろそろ何かブログに書きたいけど、何を書いていいかわからないと思いながらぼんやりネットの記事を眺めていました。
タイトルが目に留まった瞬間に、心臓をギュっとつかまれて、自分の周囲だけ空気がなくなったように息が苦しくなった記事がありました。
MBCニュース | 20代男性看護師の自殺は「労災と認めて」遺族が国を提訴 「深夜までレポートで慢性睡眠不足」鹿児島
2022年4月に仕事をはじめ、5月に自殺、、、
言葉がありません。
国家試験に受かり、さあこれから頑張るぞと思って入職したことでしょう。
それなのに、彼がどんなにつらく苦しい日々を過ごしたのか。
私も仕事に追い詰められて睡眠がとれなくなり、思考がまともじゃなくなったことがあります。
彼と同じではないかもしれないけど、視野が狭くなりどうしていいかわからなくなり追いつめられていくあの感覚。
あーん、つらーい😰
病院が設置した第三者委員会の調査報告書は、男性が先輩から「学生じゃないんだよ」「患者を殺すつもり?」などと複数回言われたことや、深夜までレポートを作成して慢性的な睡眠不足になっていたことを認定しています。
この発言をした先輩は今、どのような気持ちでいるのでしょう。
普通の感覚の持ち主ならだいぶメンタルにきていると思います。
そうじゃなければ許せないって思ってしまう。
そして、その先輩がこのような発言をしていたのは、病院にそのように教育されてきたからでしょう。
私は師長や看護部長などの管理職にも責任はあると思いますが、奴らほど厚顔無恥な人間はいないのできっと心の中では自分たちには責任がないと思っていることでしょう。
「学生じゃないんだよ」「患者を殺すつもり?」
このような発言って現場ではよくあるものだと思います。
記憶はないけど、私も先輩に言われたり、後輩に言っていてもおかしくないくらい定番な言葉です。
でもさ、「学生じゃないんだよ」って、そんなの新人だってわかっているんですよ。
「患者を殺すつもり?」って、そんなつもりあるわけねーだろ。
その先輩だって、新人の頃そのように言われたときにそう思ったでしょうに。
過去に自分が言われてイヤだったことを自分が先輩になると平気で言うようになるんですよね。
ママスタでよく見る嫁と姑の関係のようです。
私が今でも覚えている先輩のアホ発言は「あなたは新人の中で一番できていない」
これって私をおとしめるだけの言葉です。
これを聞いて、じゃあ頑張るぞ!ってなると思ったのかな??
アホすぎる。
それに順位をつけたら必ず誰かが1番になり、ビリになる。
頑張ったってビリになることはある。
おまえに人格否定される覚えはねーんだよ!って今では思えるけど、純真だった当時の私にはかなりこたえました。
どのくらい頑張れるかは人によって個人差があるものです。
私は当時は病院に行って帰ってくる、それだけで自分の体力、精神力の許容範囲を超えていました。
勤務開始の1時間前には病棟に到着していたし、勤務時間はずっと緊張状態、勤務時間が終了しても2~3時間は残業せざるをえない状況。
就職してからしばらくはこれが週5日連続する。
そんな状態で家に帰って復習・予習なんてできるわけない。
土日も体が全く動かせないくらいにぐったり。
そんなだったのに「一番できていない」って言われても、私にはどうすることもできません。
彼もそんな状態だったのかな。
そんなつらい状況でも、私には支えてくれる同期がいました。
励まし、励まされ、彼女たちがいたからつらかった新人時代を乗り越えられました。
彼にはそんな同期はいたのかな。
もし同期がおらずに一人だけで病棟に配属されていたら、私は仕事を続けることは難しかったでしょう。
あの時に自分一人だったらと思うと、仕事の不安やストレス、先輩とのコミュニケーションが怖くて怖くて涙が出てくる。
そして、彼の両親の気持ちを思うと想像すら困難です。
国は「業務による強い心理的負荷があったとは認められない」として、今年8月、男性の労災を認めない決定を出しました。
どう考えても業務による強い心理的負荷があるんですけど??
どう考えたら業務による強い心理的負荷がないという結論に至るのか全く意味不明です。
彼を追い詰めた先輩、その病棟の師長、その病院の看護部長、そして病院に何らかの罰があたりますように。
そして、他の病院の看護の上層部が自分ごととしてこのことを受け止め、新人教育のありかたを見直し、必要以上の精神的威嚇や過負荷な課題を出すことがなくなりますように。