気が付けば受験の時期ですね。
毎年、この時期になると自分の受験のときのことを思い出します。
電車を乗り間違えて、泣きながら受験会場に向かったことを・・・
今思えばそんなことで泣くなんて私もかわいいものでした。
その学校の受験会場はいつもは使わない路線を使う場所にありました。
もちろん、事前に乗り換えの駅も時刻表も入念にチェックし、当日はそのメモを持ち出発。
試験開始の1時間前くらいには会場についてトイレに行ったり水分をとったりして心を落ち着けて試験に臨む予定でした。
電車の遅延もなく順調に乗り換えました。
最後に乗り換える電車は各駅停車、数分で試験会場の最寄り駅につくはずでした。
しかし、ぼんやりと外を眺めていると一つ目の駅を通り越してしまいました。
そこからもスピードは落ちる様子もなく電車は走り続けます。
あれ・・・?
電車を乗り間違えたのです。
運悪く通勤快速だか通勤特快に。
すぐ電車内の出入り口に貼ってある路線図を見ました。
とにかく次の駅で降りて、引き返さないと。
しかし、全然停車しないんですよ。
通勤快速だから。
そして二つ目の駅も通りすぎて、私が下りるはずの三つ目の駅も素通りしてしまいました。
時間ははっきり覚えてないけれど確か25分くらいは止まらなかったと思う。
やっと電車を降りたはいいけれど、ホームで一人茫然としました。
頭のなかはパニックの状態です。
今から折り返せばギリギリ間に合うか?無理か?
どうしたらいいのかわからず、ホームのベンチに座って家に電話しました。
その日はたまたま母が仕事が休みで家にいたのです。
母「あら、どうしたの?」
私「お母さん・・・私、電車乗り間違えた」
母「あー・・・もう、あんた何やってんのよ」
私「どうしよう、もう間に合わないかも」
母「まーったく、間に合わなくてもいいからとにかく行きなさい。遅刻してもいいから試験受けてきなさい」
私「あ、そうか、わかった」
母に言われたし、戻らなきゃと思いました。
携帯電話で検索してみると試験開始ギリギリに着きそうです。
そして、乗り換えをへて、やっと最寄り駅につき電車を降りました。
最寄り駅から試験会場までは無料のシャトルバスが出ていました。
バスの停車場所はすぐにわかる場所にあり、バスに飛び乗りました。
私が乗ったらバスはすぐに出発しました。
こんなギリギリにくる間抜けなんて私くらいですから、シャトルバスには私だけです。
バスの中で、こんな大切な日に電車を乗り間違えてしまった自分はなんて馬鹿なんだろうと思ったら、一気に感情が高ぶってブワっと涙が出てきてしまいました。
「こんなことで泣くな、私」と思いましたが我慢できませんでした。
静かなバスのなかで私の嗚咽と鼻をすする音がすごく大きく聞こえました。
泣き顔で試験会場の門の前でバスを降りましたが全然人がいません。
門付近にいた誘導係みたいな人が「あなた、何学部の試験受けに来たの?」「こっちですよ、はい、こっち」と私をせかしながら入口から試験を受ける部屋までずっと付き添ってくれました。
真冬の冷たい空気が頭と顔をキュッと冷やしてくれたうえに、誘導係の人の小走りに必死でついて移動する時間で涙もどこかにいってしまいました。
小走りでやっと到着して会場のドアを開けたら、みんな席についておりシーンとしていました。
「シーン」という音が聞こえるような空間の中で焦って上着を脱いで、筆記用具を出し席に座ったところでテスト用紙がまわってきました。
試験には落ちたなって思いました。
試験ができたかできなかったか、家路につくときにいつもは振り返るのですが、この試験に関しては全く記憶にありませんでした。
試験中に「落ち着かなきゃ」と思っていたことは覚えていたのですが試験内容はすっぽり記憶にありませんでした。
しかし、私、ここの学校に受かっていました。
奇跡
しかも、合格者の受験番号の並びを見ていると同じ部屋にいた人で他に受かったのはたぶん私だけです。
うーん、準備万端で受けた他のところは落ちたのに・・・
受験ってわからない。
電車を乗り間違えた理由
私が乗るはずだった各駅停車は、間違えて乗ってしまった通勤快速の次の電車でした。
けっこう大きい駅だったので朝の電車の出発時刻は過密。
私が〇番線に降りるのに階段を下っていたとき、周りの人が走ってその電車に乗っていたのでつられて私も走って乗ってしまったのです。
乗り換えの時間には余裕があるはずなのにおかしいと、ふと頭をよぎりましたが周りの流れにのってしまったのです。
そのせいでこんな目にあってしまいました。
受験に関するニュースを見るといつもこのことを思い出します。
受験生の皆さんが、私みたいにどじして受験に集中できないということにならないように、くれぐれも電車の乗り間違えには気を付けてほしいって思います。