詐欺被害にあった40代の独身女性がインタビューを受けているのをテレビで見たんです。
私も40代、独身、女性なので同じだなって思ったんです。
彼女は
「貯金の半分である約50万円を詐欺にあい奪われてしまった。返して欲しい」
と言っていました。
ん?
てことは貯金は100万円だったってことか。
・・・貯金100万円。
私は現在無職だけど、貯金はそれより多いよ。
ふふん
テレビの向こうの知らない女性に対してマウントをとっている自分がいました。
・・・、
・・・、ね。
そう考えた自分を見下して薄ら笑いをうかべる自分がいました。
そんなマウントとっても何の意味もないのに。
そんなことでしか自分の自尊心を保てない哀れな人間。
テレビの彼女と自分の貯金額を比べたって何にもならない。
私は自分を見つめ、これから先の生活を考えなきゃならない。
わかっていても、どうしてもテレビの彼女よりマシだなって思う考えをやめられない。
考えるだけだから、誰かに得意げに話すわけじゃないから、このくらいは許して欲しい。
自分よりも不幸な人が存在するということを知るだけで、私はまだマシって思えてちょっとだけ自分が励まされるから。
自分よりも大変な状況にいても頑張って生きている人がいるって知ることで、私なんかまだまだなんだから生きていられるんだって思えるから。
最近、○○の貧困という言葉をよく聞くようになりました。
子供の貧困、生理の貧困、女性の貧困
過去を振り返ってみても、現在の自分の生活を見直しても私はどれにも当てはまらないと思います。
(女性の貧困についてはあくまで今はですが)
ニュース番組の特集でこれらの状況におかれている人を見ました。
私はこの人達よりはマシだなって思えて、ちょっとほっとする。
私が子供のころは両親がそろっていたし、広くないけど自分の部屋もあって、リビングには物はあふれていたけど母は掃除や整理整頓をよくしていたので物が散らかっているとかホコリがたまっているということはありませんでした。
小中学生の頃はカップラーメンを食べたくても、栄養が偏るからダメって言って食べさせてもらえず、どうしてもってときは袋めんをゆでて、その上に野菜をどっさり乗せて出されました。
塾で帰りが遅くなるときも、母はどんなに眠くても私の帰りを待ってくれていて、私の姿を確認してから寝室に行きました。
生理用品もはじめは買ってもらっていましたが、そのうちにお金をもらい自分で必要な分を購入していました。
あの頃はそれが普通だって思っていました。
子供の貧困や生理の貧困なんていうことを感じたことはなかった。
だからテレビでゴミがちらかる部屋で一人カップ麺をすする小学生の姿や、ラップとティッシュでナプキンを手作りする高校生を見て衝撃を受けました。
もしかして、自分が小中高校生の頃、同級生にこのような暮らしをしていた人がいたのかもしれない。
私が10代のころはまだSNSなんて存在していません。
だから、指標はあくまで自分。
あの頃の私は、自分がしている生活は他の人もできていると思っていました。
40代になり世間のことを知り、自分がなんて恵まれていた人間なんだろうって思いました。
「女性の貧困」はまだあんまりピンときていないです。
これはおそらく私のこれまでの職歴のせいだと思います。
ずっと正社員として働いていたし、シングルマザーも私の周囲にはいなかったから。
「女性の」って性別で言われるとちょっと違和感があります。
男性だって貧困で苦しんでいる人もいるだろうに。
ネットで検索すると、統計のデータでそのような事実があるそうで、男性よりも女性のほうが貧困であるということはエビデンスがあるらしい。
「貧困」の定義って?と思って調べたけど、一言では言えないらしく長い説明しかなかったので読むのを諦めました。
参考文献:女性の貧困-日本の現状と課題-
https://www.kwansei.ac.jp/cms/kwansei_s_hws/pdf/0000134350.pdf
私は自分のことを現状では「貧困」とは思ってはいません。
でもいつかそうなるのかな。
現在私はかなり底辺にいると思うけど、下には下がいるとも思っています。
私はまだマシなほう。
そう思うことで今日もなんとか自分を保っています。